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だってそうでしょ。何が悲しいのかって聞いたら、突然ヒロインだの画面だの言い始めるんだもん。
でもなんとなくだけど、なーんとなくだけど……マルスの話に思い当たるものがあるような、ないような。そんな気がする。
(事情をちゃんと聞きたいような聞きたくないような……でも、ここでちゃんと聞いてあげなきゃ絶対落ち着かないよね……)
予想が外れて欲しい、と思いながら私は意を決してマルスに尋ねた。
「ねぇ、結局事情が飲み込めてないんだけどさ、ちゃんと、ちゃんと分かるように教えてくれないかな?」
「おーいおいおいおいおい……ずず、ずびっ! 何って──これに決まってるじゃないのよぉぉぉお!」
「んん!?」
すると突っ伏して泣いていたマルスのお腹から、何かが出て来て目の前に突き付けられた。
ビビットなピンクとグリーンのコントローラーに挟まれた真っ暗な画面。鏡のようなそこに映るのは眼鏡をかけた私だ。この前せっかくコンタクトにしたけれど、面倒くさくて結局眼鏡なんだよねぇ。もったいない。
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