横取り

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「お待たせ」 「制服の時と、イメージ違うね」 「制服の方が良かった?」 「そうじゃないよ。 私服も可愛いなと思った」 「ありがと!」 「乗って」 「あれ?ヘルメットは?」 「持って来なかった。 大丈夫だよ!お巡り煩くないから」 知ってますよ。その位。 「後ろ捕まるの怖いから、腰に手回して良い?」 「いいよ。ちゃんと捕まってて」 20分位走って夜の海へ 「涼しいね」 「秋頃のこの時期はツーリングには最適だよ」 2人で単車に寄り掛かって話した。 「門限何時?」 「12時」 門限無いけどね(笑 あるけど、破ってばかりで父親に怒られてばかりの私。 最初は、そう言っておくだけ。 「12時? 早いな。高校生だから仕方無いか」 「うちの父親が煩いんだよ」 「だろうね。娘だから心配するら?」 「そうみたい。 明日、本当に大丈夫だったの?」 「ああ、友里ちゃんと約束してたけど さっき断りの連絡入れたさ」 「ごめん!そうだったの?!」 知ってたよ。 だから誘ったの。 「俺、蓮華ちゃんの方が良いから」 「ねぇ、だったら友里にハッキリ言ったら?期待させるの可哀想だよ?」 「そうだよな……。 でも、言えないんだよ」 「なんで?」 「可哀想なのもあるけど、先輩からの紹介だから断り難いんだ」 「そうだったんだ……。 でも、ちゃんとしてくれないと私も友里を裏切ってるみたいで気まずい」 大輔さんの肩に寄り掛かって言った。
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