1.それぞれの日常

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 体が重い、と感じた。心身ともに疲弊しきっているのに、眠りですら挽回(ばんかい)できない。  苦い顔で俯いたまま、しかし呼吸が幾分楽になった事には安堵し、僕はそろりとベッドから抜け出した。  フローリングの床を素足で踏み、思わず身震いしてしまう。 「……最悪の目覚めだ」  誰に吐くでもなく、愚痴がこぼれた。  冷蔵庫からペットボトルの水を取り出し、ひと口喉に流し込む。  眠るのが怖い、憂鬱だ。そう思うようになったのは、いつからだろう。  チラと壁の時計に目をやると、時刻はまだ午前五時だった。  ***
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