歪んだ鍵

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歪んだ鍵

「あ、あ…!」 「ごめんねぇ、翔ちゃん」  愕然とする小宮 翔太(こみや しょうた)の前で、女の体が上下に跳ねている。  女はベッドの上で、肌色の何かにまたがっていた。 「翔ちゃんやさしいんだけどさぁ…あっ、はっ……やさしすぎってかさ、つまんなくて」 「み、美樹…なにやってんだよ…」 「あははっ、見てわかんないの? ウケるぅ」  名を呼ばれた女は翔太に笑顔を見せつつ、小刻みに跳ね続ける。  時折顔をうつむけて苦しそうに、どこか楽しげに息を弾ませた。 「最初はさ…ああっ、ふかっ…! ちょっと強引な感じだったんだけど、ね?」 「…美樹…」 「あた、し…気づいちゃってさ。そういうのが好きなんだ、って。んんっ」 「ウソだ…こんなの……!」 「なーにぃ? まだあたしの、こと…っ、信じようとして……くれてるの? 現場、見ちゃってるのに?」  そう言いながら、美樹は顔を上げた。  視線を翔太の顔から股間へ移すと、大げさに舌なめずりをしてみせる。 「翔ちゃんも一緒にやる? ふふっ、きっと気持ちいいよ…ああんっ」 「う…」 「すっごいぃ! あたしすっごいこと言ってるぅ…たまんないっ」 「うわああああああああああっ!」     
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