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だがこれが逆に、翔太の興味をひいた。
(もしかしたら、まだスレてないのかもしれない)
スレていない、つまりこの女性はまだこういった出会い系に慣れていないのかもしれない。
そう判断した翔太は、すぐさま彼女へアプローチするための文章を書き上げた。
”はじめまして、ヨウです! マイコちゃんのことが知りたくてメールしてみました。よかったらお話しませんか?”
翔太は、『ヨウ』というハンドルネームを使って『ムーンビーチ』で女性と知り合い、メールアドレスを聞き出して直接メールできるように持っていっては会う、ということを繰り返していた。
出会う女性は人妻が圧倒的に多く、そのデートコースは最初にレストランに行ったりカラオケに行ったりという差異があっても、最後に行き着くのは共通してラブホテルだった。
夜が明けるまでともに過ごすということはなく、夕方前にはお互い家路につく。ただれているようでどこか寒々とした遊びに、翔太は1年ほど前から慣れてしまっていた。
(返事なくても、まあ…4人くらいキープしてるし、問題ないだろ)
彼はマイコへ文章を送信すると、すぐにブラウザを閉じる。結局それから眠ることができず、朝までゲームアプリを楽しんだ。
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