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”マイコちゃんの都合がよければ会いたいな。今度新しくできたカフェで、お話してみるっていうのはどう? アドレス書いとくね……”
(ここからどう出るか…だな)
見通しがつかないのか、送信した後も翔太の表情は晴れない。
その後、彼はふとるるのことを思い出し、今日は楽しいデートだったとメールを送るのだった。
マイコから二度目の返信が来たのは、それから3日後だった。
”わたし口下手なので、カフェよりもっとゆっくりできるところがいいです”
(…え)
”あさって、○×駅前に行く用事があるので…よかったら、会ってください”
(……おもしろい…!)
飾りっ気のないマイコの言葉が、翔太には挑戦状のように思われた。巻き起こりかけた警戒心が、好奇心によって塗りつぶされてしまう。
彼女にアプローチをかける前に見た夢が、影響している部分もあった。過去の裏切りと嘲笑を振り払うように、彼はこう決断する。
(これでしくじるなら、オレも年貢の納め時ってことだ。試してみるのも、悪くない!)
こうして翔太は、マイコと会うことにした。
当日、電車に乗り、待ち合わせ場所の駅に向かう。ちょうど改札を出たところで、マイコからのメールが来た。
”着きました。電話ボックスのそばにいます。服装は、空色のワンピースとデニムのジャケットです”
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