47人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのさ。俺、いつも思う。」
「ん、何?どうしたの、那由多。」
那由多が、突然言った。
「朔と彩花はさ。なんで、教室とか…みんながいる所ではラブラブなのに、帰る時はそんなに距離も離して…喋んないし。何があるんだ、お前らの中には。」
「え。」
確かに…言われてみれば。
朔の方をちらっと見ると、目が合ってしまったので、バッと目を反らした。
「なんか…二人だと、緊張して…。」
「俺も。」
朔の言葉に、鼓動が早くなる。
「いや、俺もいるから三人な。」
「なんか…人がいると…話せるんだけどね。なんでだろ。」
「いや、俺もいるからな。二度目だよ、俺を忘れんな。」
「那由多は…いてもいなくても…まあ、変わりない。」
と朔。
「はいはい、わかったよ!俺がいても二人なんだな、俺がいても意味ないんだな!」
「ちょ、ちょっと待ってよ那由多。那由多は、存在感がないわけじゃないし、那由多がいても意味ないわけじゃないよ。」
「むしろ、存在感ありすぎて困る。」
「朔、俺は褒められている気がしない。」
「まあ、褒めてないからね。」
「今日はいつにもましてムカつくな!」
なんだかんだ言って、仲いいな。
私はふふっと笑う。
最初のコメントを投稿しよう!