first moon

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「あのさ。俺、いつも思う。」 「ん、何?どうしたの、那由多。」 那由多が、突然言った。 「朔と彩花はさ。なんで、教室とか…みんながいる所ではラブラブなのに、帰る時はそんなに距離も離して…喋んないし。何があるんだ、お前らの中には。」 「え。」 確かに…言われてみれば。 朔の方をちらっと見ると、目が合ってしまったので、バッと目を反らした。 「なんか…二人だと、緊張して…。」 「俺も。」 朔の言葉に、鼓動が早くなる。 「いや、俺もいるから三人な。」 「なんか…人がいると…話せるんだけどね。なんでだろ。」 「いや、俺もいるからな。二度目だよ、俺を忘れんな。」 「那由多は…いてもいなくても…まあ、変わりない。」 と朔。 「はいはい、わかったよ!俺がいても二人なんだな、俺がいても意味ないんだな!」 「ちょ、ちょっと待ってよ那由多。那由多は、存在感がないわけじゃないし、那由多がいても意味ないわけじゃないよ。」 「むしろ、存在感ありすぎて困る。」 「朔、俺は褒められている気がしない。」 「まあ、褒めてないからね。」 「今日はいつにもましてムカつくな!」 なんだかんだ言って、仲いいな。 私はふふっと笑う。
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