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電車に揺られながら、窓の外をぼんやりと眺めた。
田舎すぎるこの街は、相変わらず暗い景色が続くだけだ。
この一両には私と朔以外誰もいなく、静まり返った気まずい空気が流れていた。
…私達、幼なじみなのになぁ。
気持ちが繋がったのはいいけど、前より素直になれないのは、辛い。
そんな時間が続いて、トンネルをくぐって出た瞬間、明るい街並みが現れた。
「わあ…さすが、都会だね…」
「人めっちゃいるな。はぐれないように気をつけて。」
朔が少し笑って言ったから、心臓がありえないほど飛び跳ねた。
「はぐれたらいけないから、手でも繋いどく?」
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