third moon

11/13
前へ
/113ページ
次へ
隣でうずくまっている朔は、ぎこちない動きで私を見つめる。 「俺、さ…彩花を…守れたよな…?」 「守れたよなって……どういうこと??私は生きてる!けど…朔……。」 待って。守れたっていう事は…。 私を助けたのは、朔…。 そして、変わりに轢かれたのは……。 「嘘…っなんで?!…なんで、私を助けたりするの?!それじゃ、駄目なの!朔は…生きてなきゃ……。」 朔は、聞こえるか聞こえないかくらいのか細い声で、弱々しく笑いながら言った。 「いいじゃん…彩花が……生きてくれて、…俺は…もう、悔いは、な……い……」 朔の身体が生気をなくした。 もう、わかった。 もう朔は二度と、目を覚まして、喋る事などない。 手でも繋ぐ?って、問いかける事もない。 でも……。 これで、もう、分かった。 私は次、ちゃんと朔の手を握る。 だから…朔は必ず、助かる…。 見上げれば、満天の星空。 そこで、私は、暗闇に呑み込まれ…。 ………………………………………。 …‥…………………………………………………。 ………………………………………………………………………?
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加