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隣でうずくまっている朔は、ぎこちない動きで私を見つめる。
「俺、さ…彩花を…守れたよな…?」
「守れたよなって……どういうこと??私は生きてる!けど…朔……。」
待って。守れたっていう事は…。
私を助けたのは、朔…。
そして、変わりに轢かれたのは……。
「嘘…っなんで?!…なんで、私を助けたりするの?!それじゃ、駄目なの!朔は…生きてなきゃ……。」
朔は、聞こえるか聞こえないかくらいのか細い声で、弱々しく笑いながら言った。
「いいじゃん…彩花が……生きてくれて、…俺は…もう、悔いは、な……い……」
朔の身体が生気をなくした。
もう、わかった。
もう朔は二度と、目を覚まして、喋る事などない。
手でも繋ぐ?って、問いかける事もない。
でも……。
これで、もう、分かった。
私は次、ちゃんと朔の手を握る。
だから…朔は必ず、助かる…。
見上げれば、満天の星空。
そこで、私は、暗闇に呑み込まれ…。
………………………………………。
…‥…………………………………………………。
………………………………………………………………………?
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