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意識が……消えない。
まだ、現実に取り残されたままだ。
「そ、んなっ…。」
今になって事態の過激さを知った私は、呆然とするしかなかった。
「彩花!」
そんな私の名前を呼んだのは…朔ではなく、那由多。
「那由多…?なんで、ここに…。」
「それは後から!とにかく、行くぞ。」
いつの間にか到着していた、朔を乗せた救急車に乗り込んだ。
病院……か……。
もう…行ったって、きっと意味はない。
私のせいで……。
救急車は、目まぐるしく都会を駆け抜けていく。
それと同じように、それからの私の時間も、目まぐるしく移り変わっていった。
変わらなかった未来。
分からない…。一体どうすれば良かったのか。
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