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それから、朔も一緒に帰るようになったんだっけ。
ある日、委員会がある朔を、那由多と二人待っていた時のこと。
校庭の端にある向日葵を眺めながら、セミの声がうるさい中、那由多がふと呟いた。
「…お前、朔のこと好きだろ。」
「ずっと前から気づいてたくせに。」
「なんだその言い方は…ハッキリしろよ!告ればいいのにさー。」
「すぐフラれますー!」
私は那由多に向かって子供っぽく、おもいっきりあっかんべーをした。
暑いな…。
朔、まだかな…。
もし告白したら…朔はどんな返事をくれるかな。
もしかして、もう彼女いたりする?!
一人で慌てる私を見て、那由多は大袈裟にため息をついた。
「あのさ…俺はさ、素直でいい奴だから言うけど。」
「……?」
「俺は、ずっと前から彩花が…。」
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