戦へ

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・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・ 戦へ ・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・ 冬至が過ぎ、初雪が降って数日した頃、吉備で動乱が起こった。 長男の加津彦が処刑され、長女が妃を廃された事により、跡目争いが起こった事が発端だった。 大王は、平定のために数多くの(いくさ)を送られたが、なかなか鎮静化には至らなかった。 立春を過ぎた頃、大王は決断された。 「アヤ、吉備へ行って来る。」 「大王!?」 「吉備へ行って、争いを治めて帰ってくる。」 「戦ですよね!? 何も大王がそのような危ないところへ行く 必要はないではありませんか。 私は嫌です。」 大王は嫌がる私の頭を撫でてくれる。 「アヤの気持ちも分かるが、早く治めないと 無駄に命を落とす者が増える。 これは大王の仕事だ。」
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