宮廷にて

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宮廷にて

・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・ 宮廷にて ・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・ 私が馬に乗せられて着いた先は、香久山の麓の見た事もない程、大きな屋敷だった。 いや、屋敷と言うには、あまりにも広く、言葉も出ない。 今まで、里長の屋敷をとても大きくて広いと思っていたが、そんな物とは比べようもない。 私は馬から降ろされた後、違う男に引き渡され、かと思えば、今度は違う女に引き渡されて、部屋に案内された。 私は、案内してきた女に聞いた。 「ここはどこ?」 女は怪訝そうに私を見る。 「宮廷でございます。」 宮廷? 宮廷って何? お屋敷の大きいやつ? 「あの、私は、いつ帰れるの?」 女はきょとんとした顔で、私を見返した。 「それは、お里帰りの事ですか?」 女に聞かれて、私もきょとんとする。 「お里帰り?」 「お妃様は、余程の事がないとお里帰りは なさいません。 何より大王のお許しがないと。」 女は言った。 「あの、妃って、何?」 私が聞くと、女は怪訝そうな顔で、 「大王の妻になられた方の事でございます。」
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