鹿狩り

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鹿狩り

・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・ 鹿狩り ・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・:・:・:*:・ それから、半月後。 今日は、機織り小屋の外が朝から騒がしい。 馬の蹄の音 (いなな)く声 人々の声 弓鳴りの音 昨日、ハヤが言っていた。 今日はこの辺り一帯で、香久山(かぐやま)大王(おおきみ)一行が鹿狩りをすると。 きっと、大王(おおきみ)たちが鹿を追って、野山を駆け回っているのだろう。 しかし、そんな事は私達には関係ない。 私達は、いつも通り、黙々と(はた)を織り続ける。 ・:*:・:・:・:*:・ 昼過ぎになり、遠くから雷鳴が聞こえた。 かと思った次の瞬間、 ドン!! ゴロゴロ、ガッシャーン!! 耳を(つんざ)くような雷鳴が轟いた。 「キャー!!!!」 私は母と悲鳴をあげる。 心臓がバクバクと大きな音を立てる。 「な、なに?」 私がようやく口を開くと、 「雷よね。すぐそこの桑の木にでも落ちたのかしら。」 と母が答えた。
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