一凛の花は枯れて

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 彼は琴を構えると、静かにその瞼を閉じた。  そして次の瞬間――彼の琴から綺麗な音が出始めた。  彼が奏でる音は清らかで、とても綺麗な音。  まるで透き通った川の水が奏でるような音のよう。  その音は……私にとっては何よりの宝物だ。  私の幼馴染は、私と同じように猛特訓をして、ここまで腕を上げたのだから。  私にはそれが……何とも誇らしく。  まるで自分のことのように、それを誇らしく思う。
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