一凛の花は枯れて

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 ――よし、何とか私が外に出ることは成功しそうだ。  それに、彼は自分の楽器を持ったままだ。  このままだったら私の計画は何事もなく進み、終わりそうだ。  アカツキは自分の命とも言えるその琴を背中に抱え、私は彼のたくましい両の腕の中に抱きかえられた。  こうすることで、少なからず私にかかる衝撃が緩和される……らしい。  今となっては正直どうでも良いことだけれども、彼の腕の中にいるのはとても心地が良い。  ……一体いつから、彼はこうして私を抱きかかえられるまでに成長したのだろうか。  幼馴染とはいえ、三つ年上の私をこうして抱きかかえて、何ともないかのように歩くそのアカツキの姿。  それほどの年月が……経ってしまったのだろうか。  もし私が病に罹らなかったら、私は彼と共に居ただろう。  でも出来ない――それは私の運命だからだ。  子供が大人になり、そして歳をとって死ぬように。  私もその時が来たのだから。
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