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一凛の花は枯れて
――私はもう一度、舞い踊りたい。
私は踊り子――ある宮廷で行われる娯楽の為に呼ばれる踊り子の一人にすぎない。
だけど私の舞いは他の踊り子達よりも群を抜いて『美しい』と評判だ。
だから私はこの宮廷で何かしらの宴会や、そのような類の催し物が行われる度に、この身体で自慢の舞いを踊って、彼らに見せて喜ばせた。
いつしか私の舞いは『一凛の花』と呼ばれるようになった。
それは楽しかった。
それに、嬉しかったし、喜ばしかった。
踊ること自体は楽しいけれども――特に嬉しい、喜ばしいことは私が舞うその姿を見て“感激”してくれる人がいることだ。
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