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日が沈んだ。カメヤマの顔は少し若返った様に見えた。
サイアンはこの暗さなら宇宙船に乗れますよだって顔がよく見えませんからと言った。カメヤマは何か食べてから行こうと言った。
30分探して山奥のレストランで食事をした、全体的に光量が低かった。顔を合わして座るサイアンの顔が薄暗く見えなかった、唯アンの目からは青い光が微かに点灯していた。
お世辞にも美味しいと言えない料理が出てきた、少し珍しかったのが肉が無いことだった。
店から出るとそこはショウジンリョウリと看板に書かれていた。カメヤマはお腹が膨らまず少し愚痴を言ったが本気で言ってはいなかった。
カメヤマ達は警備ロボットにも捕まらず、宇宙船に乗れた。
エウロパまでは三時間程だった。
席同士が顔合わせになるタイプの宇宙船だった。
二対二の顔合わせであった。宇宙船が満員な事もあり、一人他人がカメヤマと顔合わせだった。
カメヤマはシルクハットをもう被っておらず、農業者か又は若い男が被るような、派手な色の帽子を被っていた。それを深く被っていた。
宇宙船の中が薄暗いからなのか、彼がカメヤマの事を知らないのかどうかは解らないが彼はカメヤマに気付かず話していた。
宇宙船の窓から小さな小粒の光が闇の中で光っていた。
木星を横目に通過した時だろうか、カメヤマの前の出稼ぎ労働者のハーランは笑いながら話した。彼の言葉は訛っていた。
「あんまり信憑性はないけどよぉ…しのせんと?とか言う薬が出回っているらしぜ…これがよぉキツイ薬でよぉ~…この薬を飲むとパァッって記憶が飛ぶんだ…俺は飲んでないぜ?本当だぜ?…この薬のせいでよ、都会はパニックらしいぜ…みんな記憶が飛んで仕事ができないんだとよ…」
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