遠い未来の日本人

星見

真っ暗な闇の中で一人の男が立っていた、170ほどの身長で恰幅の良い体をしていた、白いシャツに灰色のセーターそして黒いシルクハット。そのシルクハットには白い線が入っていた。男の名前はカメヤマ・エイチキと云う。
彼は日本人の純系の末裔な事を誇っていた。唯他の人間はそれを陰で笑っていた。何故なら日本と云う国は無いからだ。地球人は太陽系を生活圏に入れており、そのため彼らは自分の国をコスモポリタンと命名していた、そして彼らはコスモポリタン人と自分達を読んでいた。
なにより日本と云う国が有ったのは800年も前のことで有りカメヤマが自身を日本人と言っても殆どの人は日本と云う単語さえ知らなかった。そんな彼らをカメヤマは笑っていた。
カメヤマは今は大陸と強引に組み合わされた、日本だった所に立っていた。
厳密に云うと日本の東京都の昭和記念公園に立っていた。名前はもう変わっているがそんな事はどうでも良かったのだろう、カメヤマはソメイヨシノの純系を見ていた、彼が何か思っている時に女性が話し掛けてきた。

「準備が整いました」
彼女はそう言った、

一目見ると純粋な人間に見えるが違う、彼女は人間に模した機械だった、カメヤマは彼女の目をじっくりと見た。彼女の目は数ヶ月前に壊れていた。ショートを起こしており、彼女が喋るたびに青い閃光がパチパチと光っていた。この闇の中なら尚更よく見えた。