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エウロパの空は灰色だった。
星々はチラチラと光ながらエウロパの地に落ちていった。
流星群だ、星の屑だ、星でも無いかもしれない、あれはもしかすると鉄屑かもしれない、しかしその流星群は綺麗だった。
宇宙船はゆっくりとエウロパの地に降りていった。
宇宙船の窓から見えるエウロパの街並みはハッキリと言えば最悪だった。
並び建ち、歪み、錆びていた。並んだ建物達に共通点は無かった。建物一つ一つが特徴的だった。
独特な建物達だった、そんな最悪の街並みの奥には一際目立つ建物があった。
それは高いビルだった。ビルの周りには幾つも鉄条網が張り巡らされていた、そのビルにくたびれている感じな人が列を成していた、幾重にも、影を重なりながら、ヨロヨロと並んでいた。
ビルの上の灰色の空には乱雑に流星群が煌めいたいた、その下には人々がある程度の理性を残しながら列を作っていた。
ビルにはとても光量の高いライトが備え付けられており天へとそのライトは向いていた。
カメヤマはゆっくりと安全に着陸する宇宙船の中、安全なのはこの宇宙船の中だけだろうか…この宇宙船から一歩出ればエウロパ。
そんなカメヤマの思惑を嘲笑う様に流星は落ちていく。
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