星見

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楽屋内にて電子ドラッグを使用していた。このドラッグを使うと頭の中に弱い電撃が走る様な感覚を感じた後、シャボン玉が割れたかの様にイライラを忘れる。ピエロ達が頭の中に走る電撃はこれの数千倍あるのだ、唯ピエロ達は電撃が走った事さえ忘れるが。 楽屋のドアを叩く音が聞こえ、時計を見る19時20分。そろそろカメヤマの出番だった。シルクハットを被り楽屋を出た。ドアを叩いた主はカメヤマの弟子のサイアンと云う少年だった。サイアンはとても若い少年だった、カメヤマの手品の秘密を知っているのはカメヤマと彼だけだったカメヤマはサイアンに聞いた。 「用意はできてるのかな?」 シルクハットを深く被りそうサイアンに聞いた 「ハイ、勿論、確実に客はキマりますよ」 サイアンはそう答えた。カメヤマは彼の言葉を正そうと思ったが辞めておいた。カメヤマの手品は生放送はされない、録画も許されない、なので客の話でしかカメヤマのマジックは知らなかった。唯客だって彼のマジックは知らない。カメヤマとサイアン以外誰も知らない。何故ならみんな忘れているからだ。先程言った電子ドラッグにそれと似たドラッグをスタジアム内にバラまく、客が全員トリップしたら成功。客はみんなマジックを見てないがまるで見たかの様に振る舞うそして勝手にいつのまにか伝言ゲームの末彼のマジックは大掛かりになって行くそれが彼の手品だった。
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