5人が本棚に入れています
本棚に追加
スタジアムに入ると観客はカメヤマを歓声で讃えた。彼らの目は血走っていた。
カメヤマは恐怖を感じたなんとも言えない恐怖だった。背中を氷が滑る様なそんな寒気を感じた。それでもカメヤマはショー行おうとするどんだけイカサマでも詐欺師でも少しはプロ意識がある様だった。
彼の手品のショーには手順があった。最初は少しした手品、そして段々とレベルを上げていく、二、三年手品師をした者なら出来て当然と思われる手品を行なった後ドラッグをスタジアム内に充満させる電子ドラッグは勿論アンドロイドにも効くそのためアンドロイドの客だって関係なく手品を見せられる。
いつも通り彼は初級の手品から始まった。コイン消失マジックから少しずつレベルを上げているその後、空のグラスの上に手をかざすと手からビールが注がれていった。そしてカメヤマはサイアンに合図を送った。カメヤマの合図はいつも一緒だった。指鳴らす事だっただがそれにもこだわりは存在しており中指の立て空に向けて親指の骨を人差し指で鳴らすのだ。
鳴らすと直ぐにカメヤマはマスクを被った。客は歓声を上げて彼のマジックを待っていた。カメヤマのマスクはダンゴムシの腹の様な装飾が施されていた、カメヤマは時計を見た、ドラッグの効きが悪くても最低数十秒だった。数十秒経ち。カメヤマはステージに用意された椅子に座った。そしてスタジアムから見える空を見てニヤニヤと笑っていた、今回も成功だ、そして目を瞑る。
公演は30分彼はここに来るまで寝ていなかっただからか彼は吸い込まれる様に眠りに入った。
最初のコメントを投稿しよう!