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愛する兄のことは自分が抱く側のつもりでいた昂平を、抱かれる側に身体を拓かせたのは永瀬の欲だ。
その清潔感のあるストイックな身体を、ひたすらに乱れさせたい。
そんな欲望が抑えきれなかったのだ。
だから、身体に負担をかけさせる分、常に最大限気持ちよくさせてあげたい。
永瀬はそう思っている。
快楽に我を忘れて乱れに乱れまくるまで、たっぷりと前戯に時間をかけるのはそのためだ。
今日は抱かれたくない、と頑なに嫌がっていた昂平は、永瀬の腕の中で、もう何度めかわからない絶頂を迎えて、ヒクヒクと背中を震わせている。
脚を大きく開かされ、本来そんな行為をするための器官でないところに永瀬の熱を押し込まれ、全身を汗と精液でベタベタに濡れさせて快感に震える扇情的な姿。
そんなときでも清楚で清潔な凛とした雰囲気を損なわないくせに、その清楚な雰囲気の中に違和感なく溢れる艶かしい色気とのギャップが堪らなく劣情を掻き立てる。
それは紛れもなく、永瀬だけが知っている昂平だ。
そろそろ、限界かもしれない。
ながせ、とひたすらに彼の名を繰り返す昂平の声が、掠れて頼りなくなってきた。
永瀬は、昂平の意識が飛ぶ前に、と彼の中に埋めた自身の熱を放出するために、ゆっくりと腰を揺らした。
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