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70年前頃は、当然のことながら今とは全く違う。戦後の時代も安定した生活になって、国民が皆幸せの暮らしをと願って生活していた。どの国も同じだろう……人類にとって、戦争は一番ムゴイの一言だ。それまでに築き上げてきたものを一つの野蛮な行為で全て破壊してしまう、それだけではない。
人命を奪い去り、家族や恋人を悲しさに晒す、やはりムゴイ行いだ。
酷い出来事を風化せず、戦争で生まれた物、軍事用に開発、利用された物を活かして生活の役に立てようと開発者や企業は挙って競い合った時代でもあった。
同じその頃、ある企業がトランジスタラジオの第1号機の販売に成功していた。
無線機と言うものは実在していたが、主に戦場での連絡網に使われていた。その送受信できる無線機の受信側の機器を改良し小型化に成功、一般向けに完成した。
開発までの道のりは長かった様だが、小型化により民間へどんどん普及していったそうだ。
この当時のトランジスタラジオ。
会社で聞いた噂では、実は違う開発チームが研究をしていたらしい。主に玩具メーカーとして開発していたある企業R社。行き着いたところは幼児、子供向け、女性向けにと老若男女を軸に考案していったそうだ。
開発メンバーの1人が、本来のラジオ受信だけの機能ではなく、緊急時送信できるモールス信号を取り込んだ。軍事用でも無ければ必要も無かった機能だが、先の戦争で大勢の犠牲者を居た堪れなく思いこの機能を付けたそうだ。
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