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「沢城さん、ちょっと手伝って」
「はい。あ、カレンダーですか」
「そうそう。これで一気に年末に向けてって感じよね。その箱に入っているのをラックに掛けてもらっていい?」
かしこまりましたと返事をしてから箱に収まったカレンダーに手を伸ばす。シンプルなデザインのもの、風景写真がメインのもの、人気のアイドルやキャラクターのもの。様々なカレンダーが店頭に顔を並べていく。
暫くラックと箱の上下運動に没頭し過ぎて疎かになっていた口に気付く。
いけない、営業中だった。
「いらっしゃいま…」
途切れた言葉はこの日を待ち望んでいたであろう人の姿が目に入ったからだ。
今日ばかりはと自ら声を掛ける。
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