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ベッドって、意味深だったか?!
「え?!うわ!え?ソファーとかないから!」
「足、長いですもんね…。」
床に座ればいい、という感覚をしばらく忘れていた。
優月の優しいフォローがむしろ、痛い。
「いや…ごめん。」
「いいんですよ。私もよくここで寝っ転がって、テレビ見てたりとかします。
あ、飲み物持ってきますね。」
優月は何やら、キッチンでごそごそやっていて、姿を現した時は手にマグカップを二つ持っていた。
湊がそれを受け取る。
カップは暖かい。
「これは?」
「ホットのハニーミルクです。コーヒーだと眠れなくなってしまうといけないから。これ、温まって、少し甘くて、いいんですよ。」
湊はこくっと一口飲んでみた。
牛乳独特の、粘りや臭みが、蜂蜜のふんわりした甘さで包まれていて、確かに気持ちが安らぐ。
「うん。美味しいな。」
「気に入りました?」
「すごく。お弁当の時も思ったけれど優月は料理のセンスがあるんだな。」
「んー、そういうわけじゃないと思うんですよね。ほとんど兄の受け売りで。」
「パーソナルトレーナーだっけ?」
「はい。筋肉バカです。」
優月は両手でカップを持って、ミルクをこくこく飲んでいる。
湊はベッドに座っていて、優月は床に座っているので、湊の足元に優月がいるような感じだ。
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