1.藤崎!日本に帰ろう!

1/2
4980人が本棚に入れています
本棚に追加
/158ページ

1.藤崎!日本に帰ろう!

日本のその警備会社に就職を決めたのは、キッパリ、日本に帰りたかったからだ。 藤崎湊(ふじさきみなと)は、アメリカの警備会社に勤めていた。 日本では警察官として勤務すること数年。 思うところがあって、警察官を辞め、単身アメリカに渡った。 警察官としての経歴を買われ、警備会社に勤めることとなったが、アジア系はとかく差別にあう。 露骨に差別することはやはり、嫌がる。 社会的には、差別主義者には厳しい国だ。 しかし、見えないところでの差別は限りなく経験してきた。 それをねじ伏せて、今の地位にいるものの…。 185センチの身長は、海外のボディガード軍団の中では比較的小柄だ。 身体を鍛えまくっているせいで、逆に体重が増えず、初めて会うクライアントにはまず、大丈夫か?と聞かれる。 てか、逆に2メートル100キロって、どうなんだ?と思わなくもないが。 そして、生真面目な性格が災いし、デートすらままならないこの生活。 なぜ、みんなクリスマスやバレンタインにデート出来るんだ? 一体いつ、知り合ってお付き合いしているのか…。 自分のバイタリティのなさを呪いたい。 そんな折、警察官時代の先輩がFBIの研修で、渡米すると言うので、一緒に食事をした。     
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!