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本当に小動物のようだ。
優月はコートを脱いで部屋着になっているのだが、それが、ふわふわの羊のような部屋着なのだ。
膝下丈のもこもこのワンピースは可愛い上に柔らかい手触りでつい、触りたくなってしまう。
肩の辺りに触れると、優月がぴくん、とした。
「羊みたいだ、すごく手触りがいい。」
「ですよねっ!私も手触りが良くて、気にいったんです。」
ふ、と顔を見合わせる。
「おいで。」
隣に座ろうとする優月を抱き寄せて、膝に乗せた。
ふわふわでもこもこのそれをつい、触ってしまう。
「…っ…くすぐったいですっ…ふふっ…。」
膝の上で、笑いながら身を捩る優月がとても可愛い。
軽く抱きしめると、ボディソープの香りがした。
「食事を金曜日にして、公園を土曜日にしようか。金曜日、うちにおいで。」
「お泊まり、ですよね。」
「うん。」
「はい。」
すぐに赤く染まってしまう頬に、手を触れる。
真っ直ぐ見上げてくる瞳は、潤んでいて、柔らかそうな唇。
ふ、と唇を親指で辿ると、あ…と小さな声がして少しだけ空いた唇から、口の中がちらりと見える。
ズキっとした。
可愛いだけではない、その色気に。
唇を重ねると、優月の腕が背中に回るのが分かる。
「…んっ…。」
甘い声は、感じてくれていることを示していて、湊は激しく打ちつける鼓動を、優月に聞かれてしまうのではないかと思う。
「ん…あ…」
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