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そんな愚痴をこぼしたら、ホテルのバーで爆笑されたが…。
「いや、お前、顔も悪くないしさ、モテない訳じゃないだろ。」
「きっぱり、この国ではモテてないと思います。」
「そんな訳ないと思うがなぁ…」
わざわざ、クワンティコまで来た俺にその言い草ですか。
「今さ、民間の警備会社も個人の警備にチカラ入れてんだって。俺の大先輩が警備会社にいるんだけど、お前に興味あると思う。個人の警備を教えるための教官クラスの幹部が欲しいみたいで。
でも、サツ官で警備部ならエリートだから、辞めないでしょ。」
こっちで、仕事したら?と言われた。
「日本で仕事、とか考えたこともなかったです。でも、教官、とか面白そうですね。」
「意外とお前に向いてる気がする。それにさぁ、こっちでずっと仕事すんの?」
いずれ、帰ることを考えているなら、キャリアになるうちに帰ったら、と言われ、それもそうか、と思ったりする。
一度、その先輩に聞いてみる、と言われた。
数日後、その警備会社の取締役部長、という人からメールが来た。
なんとも、素早い。
しかし、そのスピード感は藤崎の好むところでもある。
やはり、個人警備の教官として来て欲しいということで、待遇もまあまあだった。
別に心残りはさほどない。
それにアメリカではキャリアアップのための転職は当然だ。
上司に退職を告げ、1ヶ月後には日本にいた。
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