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2.オリエンタルな王子...?
こんなに人って、多かったか?
通勤のため、電車に乗った藤崎は疑問に思う。
アメリカにいた時は車メインで、ラッシュは確かにあったが、満員電車って、こんなんだっけ?
もう無理、もう無理!と思うところに更に人が押し込まれてくる。
明日、もうちょっと、早い電車に乗ろう。
そう決意する藤崎だ。
ただ、日本では頭ひとつ分身長が高いのは助かる。
息が出来る。
30分は早めに出たはずなのだが、通勤ラッシュで遅れた電車のせいで思ったほど、余裕ではなかった。
どーなってんだ!?日本!!
日本の電車は時間には正確だと聞いたぞ!
しかも、あんなに人がぎゅうぎゅうなのに、誰も文句を言わない。
ある意味、すげーわ…。
何とか、駅で降り、昨日のうちに場所を確認しておいた会社へ向かう。
受付で白石部長を訪ねろ、という指示だった。
「あの…」
受付の女性が藤崎を見て、一瞬固まる。
あ、強面って、思われたかな。
「すみません、白石部長とお約束をしています。藤崎と申しますが。」
怖がらせると悪いと思い、藤崎は早口でそう言って、その受付の女性から目線を外し、対応してくれるのを待つ。
女性…苦手だ…。
藤崎は女性経験がない。
中学、高校と男子校で、しかも、運動部に所属していた。
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