第1章 クリスマスイブ

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第1章 クリスマスイブ

横浜みなとみらい21。 桜木町駅前のスターバックスコーヒー。 伊勢崎マユは19:30を過ぎた腕時計とスマホのディスプレイとを交互に見た。 その動作はまさしく確認動作そのものだった。 彼女は事務職のOLで、職業病のように時間をチェックしていた。 約束の時間を、もう1時間も過ぎている。 スマホは繋がらない。 LINEも既読がつかない。 もしかして忘れてる? 苛立つマユは席を立ち、チェックを済ませ、足早に店を出た。 今日は恋人達の国民的記念日クリスマスイブだ。 そろそろ、街頭で臨時販売されるケーキも完売する頃だろう。
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