プロローグ

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 日の出前と日の入り後には、空が一時(いっとき)、濃いブルーになるときがある。  朝にも夜にもなりきれず、(ちゅう)ぶらりんになったあの色を見ていると、まるで自分の恋心のようだと思う。  青春という時間をとうに越えた、熟れすぎたブルー。  あの色を見るたびに、私は思う。  私の初恋は、これから一体、どこへ向かおうとしているのか、と。
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