予知夢

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予知夢

私は大きな不安を抱きながら羽田空港の到着ロビーで彼を待っていた。 私の予知夢が現実にならない様に天に祈りながら。 私は小島綾、二四歳。 大学を出て商社の総合職として採用され、現在は金属材料を扱う営業として仕事をしている。 仕事は楽しく、会社の同僚も上司も良い人ばかりで、多くの友人が出来た。 そして私には同棲している婚約者が居る。 高山俊輔、二四歳。大学時代からの付き合いだ。 彼は現在、総合電気メーカの技術者として働いており、入社僅か二年でその素晴らしい才能を開花させた。そして現在は世界中の生産拠点を飛び回る仕事をしている。 彼は出張の為、毎月一回は飛行機に乗っており「僕は直ぐにミリオンマイラーになる」と自慢していた。 私にとって婚約者が優秀である事は誇れる事実だが、彼の良さはそれだけではない。 優しく、人情に溢れ、何でも前向き。 そして何よりイケメンだ。 (少なくとも私のもろ好みの顔だ) そんな俊輔を、今日、私は羽田空港で待っていた。 彼は伊丹空港からのフライトでもうすぐこの到着ロビーに現れる筈だ。 でも、空港で彼を待っている私が大きな不安を抱いているのには理由があった。
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