予知夢

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そして今日、俊輔は突然、日帰り大阪出張になった。 しかし私との約束通り、彼は早朝の新幹線で大阪に向かってくれた。 しかし、夕方一七時過ぎに突然、俊輔から電話が有った。 「今日、出張した大阪工場の工場長が丁度、一緒に東京出張になって、どうしても同行しなくちゃならなくて、帰りは飛行機になる」 「えっ? どうして?」 私は大声を上げてしまった。 「仕事が少し残っていて帰りの機内で論議をしなくちゃいけないんだ。そして工場長のご自宅は蒲田で、羽田が便利なんだって。流石に飛行機が落ちるかもしれないから乗れませんとは言えなくてさ・・」 「でも・・」 「もう、あれから一ヶ月だ。とっくに予知夢の影響は消えていると僕は考えている。だから、その確認をするにも良い機会だと思うよ。心配だと思うけど、多分大丈夫だから、待っててくれ」 「・・・・」 私は言い返せなかった。 その通りだった。確かにあれからもう一ヶ月経っている。 そして彼はせっかくの素晴らしい仕事能力の一部を飛行機に乗れない為に制限している。 彼の将来の為にそれは正しい方向なのか? 飛行機事故がそんなに頻繁に起こる訳無いし・・ 私は自問自答していた。 「搭乗するフライトは伊丹発羽田行き、極東航空四〇便。羽田着は二一時三五分だ。大丈夫、絶対、無事戻るよ」 私も覚悟を決めた。 (もうきっと大丈夫。そして私達は予知夢のリベンジに勝利するんだ!) 「分かった、気を付けて帰って来てね。私、羽田空港で待ってる」 「そうか、じゃあ、羽田空港で逢おう」
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