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夏休み前の終業式が終わり、誰も居なくなった昼下がりの教室の窓際、私は夏の暑さも相まって顔を真っ赤にしながら、彼氏の前に立っていた。
「ふふ、顔真っ赤やで?やっぱ俺からしよか?」
そう言いながら困ったような、でもふわっと微笑む彼を見て私の顔は更に暑く、赤くなる。
「だ、だめ!私からするって言ったんやから!ここで折れたらなんか悔しい!」
「相変わらずの強情さやなー 、俺はいつでも大丈夫やで?」
その余裕がある態度に少しむっとして私は半ばヤケになってズイっと彼の唇を狙って身を乗り出した。
が。
拳一個分の所で、ふっ、と笑てしまった。
逆光でわからなかったけど、これだけ近づけばわかる。
彼の顔も私と同じくらい真っ赤になっていた。
「な、なに笑ってんの!」
「いや?余裕にしてた割には顔が真っ赤になっとるなーって思ってー?」
彼は戸惑って目を泳がせた後、拗ねた様に唇を尖らして言った。
「なぁ、待っとるんやけどど。」
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