トタニさんが来ない。

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「いい加減、処分しないと…」 一年前から手付かずになっている箱。この箱のせいで、私の大好きなアイスクリームも冷凍食品も入らない。 「大掃除どうしよう…」 やっぱり、処分しようかな…。と、腕を組みながら一人静かに思案していると、ふと熨斗に書かれた文字が目に入る。 「あ…」 そうだ。 もう、そろそろだ。 父親を早くに亡くしているし、親戚付き合いもない。おまけに母は専業主婦だから、ついつい忘れてしまう。 ___御歳暮。 当然、送ることも送られてくることもない我が家に、“彼”が尋ねてくることはない。 だけど、私の住んでいるF町を担当していると言っていたから、今年もまた会えるに違いない。 「ふふ。楽しみ…」 もうすっかり大掃除のことなんて忘れてしまった私は、鼻唄を歌いながら冷凍庫の扉を足で閉めた。
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