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後日。
団長を始め、多数のメンバーを失った私たちの商人隊は解散することが決まった。
根無し草となった私はしばらく街に留まり、あの白騎士の情報を集めることにした。
『霞の白騎士』と呼ばれた彼のことが、どうしても気になったのだ。
酒場の傭兵、情報屋、行商……。様々な人から話を聞いたが、あれほど目立つ騎士なのに驚くほど情報が少なかった。
分かったことは、天秤の紋章を掲げた騎士達は単独での活動が多く、モンスターやはぐれ騎士団の討伐などを少人数で高い成果を挙げる騎士団らしい。
その中で、かの白騎士は非常に高い能力を持っており『勇者ローヴァントの再来』とも言われている。
分かったのはその程度で、結局名前も騎士団名も分からなかった。
私は明日、この街を旅立ち再び商人として生きていく。
命の恩人『霞の白騎士』、『勇者ローヴァントの再来』。
彼に、またいつか会えるだろうか。
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