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――あの朝、俺は出会ってしまった。
まだ辺りが暗い、11月のとある早朝。
この寒空の中、俺はいつも通りカフェの開店準備を行っていた。
不意に背後から、高級そうな爽やかな香りが鼻を掠める。
思わず振り返ると、サングラスをかけた背の高い男が、冷たい外気を纏いながら店へと入って行った。
その様子に気付いた俺は、慌てて店内へと戻った。
ここは、六本木にある世界的に有名なラグジュアリーホテルの1階にひっそりと店を構えている、知る者ぞ知る高級カフェだ。
俺、高遠颯斗。
このカフェで、平日学校が始まるまでの時間、早朝バイトをしている私立高校3年で貧乏な特待生。
身長は、176cm。一応、クラスではイケメンの方に分類されている。
現在、彼女はいないがいつでも勝負できるよう、常に外見には気を配っている。
最も、バイト先で外見重視されているのもあるが……。
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