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そんな時、今日は土曜なので家で履歴書の下書きをしていた。
(資格の欄、書くことなさすぎる!)
「漢検だろうが資格は3級から書くんだぞ」
進路指導の教員が言っていた。
僕は、漢検は4級しかもっていないし、車の免許だってもっていない。(そもそも、自動車学校に行っている場合でもない)
資格もないから、落とされるんだろうな。
高校生活、もう少し挑戦すれば良かった。
いつも、怖いからと言って保険を掛ける癖があった。
漢検もそうだ。
落ちるのが怖いから確実に受かるものにしか挑戦してこなかった。
「僕って何もないな」
そう、呟き自分の部屋の畳の上に寝転がる。
「ちょっと!寝てないで就活は進んでるの!」
母親が勝手にふすまを開け入って来る。
「進んでないみたいね...」
机上の書きかけの履歴書を見て、母は呆れたようにいった。
「気分転換も必要よ。あなたは真面目だから」
そう言って母は部屋から出ていった。
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