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朝だ。
そう感じたのは、起きてから数秒経った後だった。母の声がしてやっと目が覚める。
「ふあ~」
なぜ、こんなに寝たのに眠たいのか、と疑問を持ちながらしぶしぶ起きる。
「こうー、ごはんよー」
母の声が廊下に響く。
ほいほい、と小さな声を出し冷たい廊下を歩く。
水野功、中三の僕は今日もすがすがしい朝を迎えている。
ご飯を食べ、顔を洗い、歯磨きをして家を出る。
「おっはよー」
「おう、しょう」
こいつは、西島翔。天然でいい奴だが、本当のバカだ。小学からの幼馴染で長い付き合いだ。っていってもまだ、出会って6年しか経ってないな。
「こう、新谷さんと今日こそは話してよねー」
もう分かった人もいると思うが、僕の好きな人だ。新谷そら、クラスのムードメーカーだ。
「ねえ、きいてる?こうー」
「分かってるって、話しかけるだけだろ?」
この会話を何度繰り返したことか。好きな人に話しかけるというのは小指だけで白鳳を倒すくらい難しい。
「やべっ、授業始まる」
キーンコーンカーンコーン
「はぁ」
家に帰り、思わずため息をつく。今日も平凡な日だったなぁ、と独り言をつぶやき。また、ため息をつく。結局、新谷さんにも話しかけることが出来なっかた。寝るか、そう思い、部屋に戻ろうとしたとき小さな段ボールが落ちていることに気づいた。
゛水野功様 退屈な日々を抜け出すためのプレゼント”
「なんじゃこりゃ」
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