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中田はバックとコートを持って外に出た。
バッグに閉まってあったスマホを取り出す。静かに耳元にあてる。
「中田部長、どうかしましたか」
「高滝か、今どこにいるんだ」
「部長、まだ得意先です。もう少しだけ時間がかかりそうです。急用ですか」
「いや、ちょっと聞きたいことがあってな。おまえは猿渡と同期入社だったよな」
「そうですが何か」
「今も連絡を取り合っているか」
「ええ、たまに」
「そうか、ならちょっとお願いがあるんだが」
詳しい要件までは言わずに電話を切る。
電話を元にあったバックに仕舞うと中田は早歩きにエレベーターに乗った。
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