レンと人形

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「この子は今までずっと我慢していたんだ。しかし、ついに我慢が出来なくなってしまった。もう何も聞きたくない、見たくない、考えたくないと深く思ってしまった。そして、自分に魔法をかけてなにもする必要のない人形になってしまったんだ」 レンは初めて、今まで自分がリアに対してしていたことの重大さを知りました。そして、彼女を深く愛していた事を思い出しました。 「あぁ、僕はなんて事をしてしまったのだろう。リアはとても大切なんだ。また僕の隣で笑ってほしい、抱きしめたい。お願いします、リアを元に戻す方法を教えてください」 レンは深く頭を下げ、魔女にお願いしました。 「お前は、何がそうさせてしまったのかを全てわかっているのだろう?それならば、そこを改め、彼女のことを信じて待つしかない。ただし、彼女は自ら人形になるほど辛い思いをしていたのだ。そう簡単なことではないぞ?」 「それでもいいです。それでも僕は、また彼女と笑い合いたいんだ」 レンはリアを元に戻すことを深く決意しました。 それからレンは毎日、人形となってしまったリアの世話をしました。髪をとき、車椅子で散歩させ、寝かせました。たくさん話も聞かせました。そして、リアがそうしてくれたように「ごめん」と「愛している」を伝え続けました。しかし、リアが笑って答えてくれる事はありませんでした。     
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