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トレア・ディーニ魔法学院。
魔導都市の中枢、根幹と呼ばれ、マルエリ山の麓に広大な面積を誇っている。
多数の学寮、複数の塔。無数の建築物が建っており、古い建物は1900年前に遡る。
2000人の生徒が6年間魔術師を目指して学んでいる。
数少ない2000年前の古書簡を紐解くと、トレア・ディーニという魔術師が弟子育成のため、開いた私塾が始まりとされる。生徒が増えるたびに拡張に拡張を重ね。それが無秩序に行われたために、現在の大変複雑な造りなったらしい。今では建物を太陽、月、星、空とグループに分け、さらに番号を付けて管理している。例えば
「明日の魔法実習は、月21番教室で」
「3限目は星30番塔に変更」
と言った具合に使われる。が。1部では余計わかりにくいと言われているものの、もう1000年近く使われている方法なので、今更変えられないそうだ。
さて学院の開祖トレア・ディーニは、120年間私塾が学院へ成長した事を見届けると、マルエリ山の石窟で永遠の魔術研鑚に入ったと古書簡は記す。今となっては石窟がどの場所なのかハッキリしない。伝承ではマルエリ山に住む龍が石窟を守っていると言われており、特別な許可がない限り学院生はマルエリ山の入山は禁止されている。
歴史的に学院長はトレア・ディーニ直系の魔術師が務め、学院運営は評議委員会によって行われている。最終決定権限は学院長が持っているが、余程のことがない限り拒否権の発動はない。民主的運営に極力介入しないのが学院の流儀だ。
この時代魔術師とは魔法使いであり政治のアドバイザーとして国に仕える者をいう。
トレア・ディーニ魔法学院では6年かけて魔術師を育成する。12歳の街や村の秀才を学院がスカウトする。12歳の少年少女はまず2年かけて魔術の基本と簡単に国の政治の基本を学ぶ。そして最初の難関である2年目の最終月に行われる見習い魔術師の資格試験に挑む。 合格するとさらに3年学ぶ応用課程へ進む。
応用課程の3年間で正魔術師の資格を取得し、試験に合格すると。さらに1年間卒業課程を履修して魔術と政治の最終評価の最終卒業試験に臨む。合計6年で晴れて魔術師になった者は、学院に残りさらに研鑚に励むもの、他国へ渡り文官として仕官するもの、在野の魔術師として修業をするものなど個人の選択が尊重される。
また、各課程で不合格だった者にも救済措置が設けられており、学院を中途退学するものはほとんどいない。
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