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小さい頃から眠りが浅く、入眠も遅かった私にはある癖があった。
眠れない夜には、目を閉じながら、天井から自分を見下ろす想像をする事だ。
見下ろすだけでなく、他の部屋に行ってみたり、両親の寝顔を覗き込んだりする事もある。
勿論想像の中の話だ。
今夜も私はその入眠儀式を行った。
天井に貼り付いて自分の寝顔をじっと見つめる。
ふと思いついた私は、体を天井から離して間近で私の顔を観察してみた。
顔をじっと見つめていると、想像上の私が突然目を開き、見つめ返してきた。
驚いて飛び起きる。
暗い部屋の中に子どもの笑い声が響いた。
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