白の似合う女

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みんな、私を見ると開口一番に「白が似合いそう」なんて言う。 だから私の着る服は殆ど「白」。 たまに冒険して、明るい色とか暗い色とかを着る時もあるけど、服装を見た人達はそれでも一言、「白の方が合ってるのに」って伝えてくる。 今日は一面の銀世界が、雪が眼前に広がっている。 道路も草も空も全て白に染って、未だに降り続ける雪が、汚れを消す為におしろいを塗り付けるように、溶けていきそうな場所に降り積もる。 そんな世界でも、私は白い服を身に纏う。 それが私に課せられた使命でもあるかのよう。 白く凍った地面に足を踏む込む。 ギュッ。と足元から悲鳴が上がる。 ギュッギュッって踏み鳴らして、道路の真ん中へ進む。 足跡をつけた道は、もう雪に消し去られて、密室が出来上がった。 凍えそうなほど冷たい空気と雪が、髪の毛や白い服を着た上に雪が積もって、全身にまとわりつき始めた。 雪を纏った私は、銀世界の一員になる。 白の世界と私は同化したようなものだ。 ……これで、私は白"が"似合う女じゃなくて、白"の"似合う女になったのだーー。 終わり
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