『春ノ国』。

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『春ノ国』。

(しゅん)ノ国』は百花咲き乱れる花の国。 その『(しゅん)ノ国』を治めし王・春主(しゅんしゅ)の名は朱雪(しゅせつ)朱雪(しゅせつ)を王に選びし(しるべ)主花(しゅか)の名は朱桜(しゅおう)朱雪(しゅせつ)四季国(しきこく)でも珍しき女の王。 つまりは『女王』である。 【女の王などすぐに国を滅ぼす】 朱雪(しゅせつ)が『(しゅん)ノ国』の王として即位したその時からそこここからそんな声があがった。 しかし、朱雪(しゅせつ)を王に・・・自らの主に選んだ朱桜(しゅおう)だけは女であり、その上、まだ幼かった朱雪(しゅせつ)を心から信じていた。 【朱雪(しゅせつ)は立派な王となり『(しゅん)ノ国』を緑豊かな国にする・・・】 ・・・と・・・。 そして、朱桜(しゅおう)のその読みは見事、的中した。 朱雪(しゅせつ)は朽ち潰えた『(しゅん)ノ国』を緑豊かな百花咲き乱れる艶やかな国へと変えた。 その豊かな緑は自然と人々の心を潤し、人々から溢れ出たその笑みは春の日差しそのもののように優しく、温かい。
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