第34話/新たな道筋

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「それは立場的にしょうがないと言うかさ。だからこそウォーム様やストーム様達が協力してくれるんじゃないの?」 「おっ。よぉ分かっとるやんか、グレイ」  マイナス思考を働かせる俺に向かって言うグレイの言葉に、間違いないと言わんばかりに賛同するストーム。椅子を反転させて、グレイの真向かいに座ってることもあり。随分楽しそうに見えるんだけど、俺は不貞腐れた顔で溜め息を吐いた。 「フレムは何を不満に思ってるの?」 「不満、って言うか。部外者だから仕方ないとは思うけど、裏でコソコソされるのはね」  俺から名指しは避けたけど、尋ねてきた真向かいのウォームは心当たりがあるように隣に座るストームにアイコンタクトを送ると、その視線を受けたストームがグレイを一瞥してから口に出す。 「Liderか?」 (ストームさん、名指しは避けられた方が……) 「えぇんや。今回は同乗しとらんし、フレムから見てもそう見えるなんて相当なもんやで」  俺の膝上に乗っていた鳳炎がテレパシーで指摘したものの、ストームは腕を組んで言った。  どうやら俺より積もるものがあるんだろう。  ウォームはちょっと困った顔を浮かべているけど、発言を止めるつもりはなさそうだ。 「一応リバースさんが確認してくれるはずだから、余り言いたくないんだけどね」 「ミハルちゃんのこと?」 「うん。それに俺はまだ新参者だし、あれからラーリングにも会って無いからちょっとね。色んな意味で思うところがあるんだけど、今はコメントを控えさせてもらうよ。マイナス思考働きまくりだから」  ウォームに図星を差されつつも、視線を反らしてうんざりとした顔をしてやれば、その場は何とか苦笑いで回避。殆どが都合という名の仕方の無い事情ってやつなんだろうが、それが曖昧なものだけに不信感が積もる。 「そう言えば、あれからリバースさんに会ってないなぁ。随分慌ただしい様子だったし、立て込んではいるんだろうけどね」 「代表会議に顔を出したんは、あくまでレディウスだけやったしな」  それが珍しいことなのかは分からないけど、ウォームの発言に続いてストームが便乗するように言うと、グレイまでもが思い当たる節を口にする。
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