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相手の発言にいきり立つストーム。
俺は、勘弁してほしいとばかりに裾を握りしめたまま泣きたくなってきた。
「ストーム。いい加減にしないと、フレムが泣いちゃうよ?」
「ウォームさんも苦労してるみたいだね」
「ムグルさん程じゃありませんよ。日程のご連絡は三日後でも構いませんか? Liderの全面協力のお陰で、色々見て回れそうですから」
「羨ましいね。此方は先日騒動があった、採掘現場の調査を断られてガックリしてるとこだよ」
「採掘現場?」
「興味があれば、Liderに聞いてみるといいよ。先程フレム君が相手なら見せてやると、嫌味を言われたばかりだからね」
オウム返しに尋ねると、相手は俺を焚き付けるように言ってきたので、ウォームが制止するように「ムグルさん」と声をかけて首を横に振った。
「ごめん、ごめん。だけど鉱石は、この世界の名物だからね。知って損することは無いと思うよ」
「そうなんですか」
「せやかて、フレムに焚き付けんでもえぇやろ」
「ちょっとした冷やかしだよ。ボク等警察の事は信用しないのに、フレム君の評価は鰻登りだからね」
でも当の本人は自覚が無いと言うか。
それが逆にプレッシャーとなりつつあるので、有り難みを感じなくなっている当たり末期だと思う。
「あの、WPは警察だから嫌われているんですか?」
「ーー良い質問だね。答えはNoだよ。詳細はボクなんかより、Liderに所属している偉い人に聞いた方がいいよ。弁解するつもりは無いからね」
そう言って俺達の更に後方ーー
開いたドアから姿を現したルシフェルに言った。
「ご用件は済みましたでしょうか?」
「お陰様で。フレム君、そう言うことだから」
ーーえ?
相手は、結局自ら名乗る事はせず……。
これ以上敵に回したくないとばかりに、コメントを差し控えて出ていってしまった。
(他にも色々聞きたい事があったのに……)
(仕方ありませんよ。この人数ですからね)
気がつけば6畳程の部屋には、俺や鳳炎、ウォームの他にストームやLider所属のルシフェル。 ディフロスも顔を覗かせているし、その後ろにはグレイの姿もあった。
ーーて言うか、幾ら何でも心配しすぎだろ?!
鳳炎が言うように、ここでの長話は諦めた方がよさそうだ。俺は、掴んでいたストームの裾を離すと深い溜め息を吐いた。
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