第57話/ 見知らぬ悪魔より馴染みの悪魔

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「何用だ?」 「そんな言い方はないだろ?」 「邪魔するで」  あからさまに嫌な顔をされても臆しないウォームと文字通り邪魔しに来たのではないかと思わせるような態度のストーム。  サンダーの扱いに慣れていると言えば聞こえが良いけど、空気を読む限り忙しい時に俺達が来てしまったようで。俺はテレパシーで(すみません)と指揮官であるサンダー謝ってから、タイミング良く報告を受けていたスフォームに向けて軽く手を振ってみせた。 〔無事で何よりだ、フレム〕 「心配かけてゴメンね。ちょっとスフォームに相談したいことがあって此処に来たんだ」  険しい顔立ちだったスフォームの表情が一変して穏やかになり、サンダーからの報告を差し置いて俺を手招き。  お陰でサンダーに溜め息を吐かれたが、構わずスフォームが手招きし続けるので、遠慮がちに移動するとモニターの前を陣取った。 〔もしかして、身の危険を感じて施設を辞めたくなったか?〕 「いや、違うよ」  一瞬にして俺の返答に注目されたけど、施設を抜けるなんて考えもしてなかったので、スフォームの質問に即答した後本題に入る。 「今すぐWPにアポを取って、直接会いに行きたいんだけど……。どうすれば、ラーリングのお茶会までに帰ってこれるかな?」 〔ラーリングの?〕 「うん。後一週間ぐらいで約束の日なんだけど、何とかスムーズにやるべきことをやってしまいたいんだ。それと、カインドの事は聞いた?」 〔あぁ。生存は、正確な位置が分からない以上。手出しが出来ない状態だ〕  つまりとしての関係上、生きてると断言出来る一方で。正確な位置まで分かる程、有能な特殊効果は無いらしい。 「それじゃあ俺の口からラーリングに話す前に、その事をスフォームの口から話しといてくれないかな?」 〔それは勿論、普段から話し掛ける努力はしているが……。最近キアと連絡が付かない事もあって、随分私を疑っているようだ〕 「ラーリングがスフォームを?」  だげど夢の話が事実なら、キアを具現化する魔力はラーリングで成り立っていることもあって。スフォームの魔力で具現化しているカインドと同じように、連絡が取れなくても生死の判別ぐらいは出来るはずだ。  そうなるとキアと連絡が付かない理由がスフォームにあると、何かしらの根拠をあってのことなんだろう。
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