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「思いの外、厄介な事になってるんだね」
通信という形とはいえ、直接ラーリングに連絡して3日程しか経ってないはずなんだけど……。関係がこじれるには十分な時間だったようで、ちょっと頭が痛い。
「とりあえず昔のように、何でもこなせる訳じゃないのから。WPに相談する形でいいよね?」
〔まぁそれが妥当だろう。もしフレムに護衛を付けると言い出したら、緊急報告として私に一報してほしい〕
「分かった。でも個人的には、せめてWPPO限定2名様までは無条件で迎え入れほしいんだよね。俺の命が狙われた以上、これ以上拒んでもマイナスにしかならないと思うから」
〔分かっている。今すぐ表の出入りの件を含め、私の方からLiderに相談するとしよう。サンダーは、現場責任者としてWPに報告した後、WPPOには別に連絡してアポを取れ〕
「は!」
〔ストームはどんな結果になっても、今日の昼十二時には発つ準備をしろ。少し強引過ぎるぐらいがちょうどいいはずだ〕
「ガッテン承知やで♪」
「それとフレムの補佐及び護衛は、引き続きウォームに任せる。フレムは、ラーリングとの約束を忘れないようにな。私も楽しみにしている〕
そう言って各自に指示を与えた後、不敵な笑みを溢して俺に圧力をかけるスフォーム。
恐らく彼の目的は、俺の土産話もといWPに関する情報だろう。初対面のカインドですら、俺の友達がWPに所属していることを知ってたぐらいだ。施設代表のスフォームが何も知らないはずがない。
「まぁ余り期待しすぎないようにね」
大体相手は、友達とは言え警察研修生。
教えてくれと言って、そう簡単に情報を譲ってくれるとは思えないんだけど……。
俺がひらりと手を振ってモニターの前から離れると、報告途中だったサンダーと目が合ったようで。〔また後程〕と見送られてから、モニターの電源が落ちた。
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